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有史以来の全人類の14%(現在の地球人口) プレジデントファミリー 4月28日 [気になるニュース]

本当に生活基盤であるインフラが整備されているだけでも有難い。薬があるだけでも有難い。食料があるだけでも有難い。寝泊りできる家があるだけでも有難い。家電、寝具、ファッション・・・何でもある夢のような世界のような気もするけど。

ソース http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130428-00000001-pfamily-soci

 人間の平均寿命の延びはすさまじい。縄文時代の平均寿命はわずか12歳であったという。15歳まで生き延びた人の平均余命は16年であった。明治時代の初期でさえ、日本人の平均寿命は男女共に30歳台の半ば。平均寿命が50歳を超えたのは1947年で私が生まれた年だ。それから60年以上の歳月が流れて、2010年の平均寿命は男性79.59歳、女性が86.35歳まで延びた。

 公衆衛生のインフラ整備が進んで、伝染病で亡くなる人が激減したのが、平均寿命が延びた最大の原因である。

 一方、平均寿命が延びるに従って、死因も大きく変化し、戦前に上位を占めた結核、胃腸炎、肺炎などに代わり、現在はガンがトップで心疾患、脳血管疾患の3つを合わせた死亡確率が5割を超えている。これらの生活習慣病には遺伝的要因と生活習慣の2つが大いに関連しており、かつて長寿県とうたわれた沖縄県では、ヘルシーな食習慣が長寿の原因といわれた。

 ところが10年の統計で見ると、男女とも長野県が1位で、男性80.88歳、女性87.18歳である。沖縄県は女性は3位、男性は27位に転落している。戦後のアメリカナイズされた食習慣の影響が出たようだ。死亡率は65歳以上では全国平均より低いが、65歳以下ではかなり高いところからみても、若いときの食習慣が寿命に与える影響は無視できないと思われる。

 若いときの死亡が激減し、寿命が延びるにつれて人口も加速度的に増加した。1万年前の世界人口は500万~1千万人。紀元0年頃が2億~3億人、20世紀の初頭でさえ16億5千万人であった。現在の世界人口は70億人。約16万年前に現生人類が誕生して以来、この世に生まれ出た総人口は約500億人と推定されているので、そのうちの何と14%が今生きている計算になる。

 生態学的に考えて70億人は多すぎるので、少子化は悪いことではないと私は思うが、高齢者が若い人より多くなるのは、過渡期の現象としてやむを得ないとはいえ、多くの問題をはらむことは確かだ。そのひとつに家族形態の変化がある。「2010(平成22)年の国勢調査で、一人暮らし世帯(32.4%)が初めて夫婦と子供世帯(27.9%)を抜きトップとなった」(産経新聞 13年3月4日付、朝刊)という。

 一人暮らし世帯の増加原因は高齢化と未婚化、そして離婚増である。今後一人暮らしはますます増えると予想される。1980年には一人暮らし19.8%、夫婦と子供世帯42.1%だったのだから、家族という形態が崩壊しつつあると言ってよい。それに伴って現行の社会保障制度は大きな危機に直面するだろう。

 1人で生活できなくなったら野垂れ死ぬのが当然という世界にならない限り、要介護の一人暮らし老人を誰がどのように世話をするのか。国の財政赤字は1千兆円を超え、公的な介護サービスに使える財源も限られている。国民皆保険制度や生活保護制度もそのうち崩壊するかもしれない。

 いつか一人暮らしの要介護老人にならないとも限らないわけで、国民みんなで考えるべき問題だと思う。

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池田清彦 生物学者。1947年生まれ。早稲田大学国際教養学部教授。生物学の観点から、社会や環境など幅広い評論活動を行う。著書に『生物多様性を考える』『アホの極み 3.11後、どうする日本!?』『ナマケモノに意義がある』などがある。昆虫採集が趣味。


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